卵塞(卵詰まり)Dystocia
原因
卵塞(卵詰まり)は、飼育の不備、不適切な産卵場所、不適当な温度管理、不十分な食事内容、脱水、産卵前の感染やその他ストレスなどの原因が1つもしくは複数存在するためにおこります。
症状
メスのグリーンイグアナは2年で性成熟に達しますが、通常3年目からしか繁殖しません。交尾も有無に関わらず、無精卵を産む場合があります。通常、1月から5月に20から60個ほどの産卵が認められます。この時期、メスは一般的に腹部の膨満と拒食をします。これは、卵により消化器官が圧迫されるためです。ただし飲水はしますから、毎日新鮮な水をあげて下さい。また、この時期は、採食しないにも関わらず体重は増加してきます。このことから、卵を持っているかどうかの目安にもなります。拒食しているからといって、強制給餌などは絶対にしてはいけません。腸閉塞になるからです。自発的に食べるのであれば、あげてもかまいません。採食しなくなってから3から5週間までには産卵します。それ以上の期間、産卵が認められないようならば、何か障害があると考えるべきでしょう。
診断
卵塞(卵詰まり)のよくある原因としては、卵管と総排泄腔を通ることのできない卵のためです。卵があまりの大きいか位置の異常、骨盤の大きさおよび形の異常、または膿瘍や結石のような閉塞性のマスによる卵管下部の圧迫、2つ以上の卵同士が癒着し、大きな塊を形成したり、ものすごく大きな卵で物理的に骨盤を通らない場合があります。また、卵の表面がなめらかでない場合にも卵塞の原因になります。また、卵管内に前回のクラッチの卵が残留していることも卵塞の原因になります。
治療
内科的な治療は、すべて適切な産卵環境を提供した上でなければ効果は期待できません。まずは産卵環境をもう一度見直し、適切な環境を用意してあげて下さい。適度に温かくして人から離れたところにケージをおき、十分の広さの産卵場を用意してあげ、ストレスをかけない環境を用意してあげて下さい。基本的に、物理的に卵塞になっている場合には、内科的に治療を行い、効果が見られないようならば、外科的治療を行います。
爬虫類の場合、ほ乳類のように低カルシウム血症や卵管の収縮不全のために卵塞になることはまれです。卵管の陣痛を誘発するために使用するオキシトシンなどは、生理的に障害がなければ必要ないと言うことになります。トカゲへのオキシトシンの使用は、あまり有効でなく、むしろ副作用の方が大きいように感じています。ただし、カメへの使用は、効果的です。ただし、卵が既に物理的に出ない状況で使用すれば、最悪の場合には卵管は破れ、腹膜炎を起こすことがあるために、注意が必要です。
予防
卵塞は、卵を持つ以前の飼育環境と栄養状態が大きく影響します。特に前回お話ししたようなMBDの状態にある場合には、正常な卵殻は形成されないため、卵塞の大きな原因の1つになります。また、産卵後に卵の残留の可能性のあるものは、次の産卵のためにも確認しておくことが必要になります。可能ならば、産卵の約1週間前にレントゲン検査を受け、卵の状態と数、大きさを確認しておくこともよいでしょう。1番大切なことは、普段から食事や飼育環境を十分に整えて、自力で産卵できる健康状態を維持し、前もって十分な産卵環境を整えてあげることが何よりも必要な事だと思います。
このホームページの文章および写真を無断転載することは禁止とさせていただきます。
スタッフ募集|プライバシーポリシー|サイトマップ
HOME
メールはこちらへ